設立の背景

宮城県の最南端、福島県との境に位置する丸森町筆甫(ひっぽ)地区は、地域全体に広がる森林と水資源に恵まれた、山村の原風景が残る山里です。

宮城県内でも高齢化と人口減少が進む筆甫地区、地域の維持に不可欠な担い手不足、活力の衰退が深刻な地域課題となっています。さらには、平成23年の福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染被災の影響は今日においてもなお、この地域に受け継がれてきた昔ながらの山里の暮らし、健康、そして経済的なあらゆる不安と苦難をもたらしています。

設立メンバー全員が福島第一原子力発電所の事故を経験。

この地域に希望を取り戻したいという思いとともに、被災をきっかけにこれまで何気なく使っていた「電気」のあり方に疑問を感じた7名の地元有志により、平成28年3月に「ひっぽ電力株式会社」が設立されました。

典型的な限界集落である筆甫地区において「地域エネルギー会社」の立ち上げは前代未聞のチャレンジですが、福島第一原子力発電所の事故の影響による苦難を経験したこの地域から「持続可能な電気の生産」を起点に、環境負荷の少ない低炭素社会を目指し、社会貢献を果たすことには大きな意味があることと考えます。

ひっぽ電力株式会社は地域の足元から、希望と未来を築いていきたいと考えています。